gofujita notes

on freewritings

フリーライティングについて考えたことを、かいていく場所です


はじまりのフリーライティング

2. 習慣をオープンにする

2.1. 習慣をわざと崩す

フリーライティングのクセがついてきたなと、何となく確信みたいなものを感じたら、次に、より「自由」なマインドセットに近づくための、大切なステップを踏みます。

その習慣を、わざと崩してみるのです。

期間は、2−3日くらいがいいと思っています。具体的には、今まで書いていた時間帯に書かない、あるいは書くけれど儀式の一部をやらないで書き始める、ちがう場所で書く、といったことをやってみます。

個人的には、フリーライティングしていた時間に何もしない、というのが一番気に入っています。何もせずに10分か20分、場合によっては1時間、たとえば、ゆっくりと窓からの風景を眺めてみます。外をゆっくり歩くような、シンプルな運動もいいですね。そうしながら、自分の中で起こることをそれとなく観察します。フリーライティングしないことで不安になっているのか、何か足りないなと感じているのか、それともホッとしているのか、自分がどんな気分になっているのかを眺めます。

眺めながら「今は書いてないけれど、これはいつでもフリーライティングできるな..」といった感覚があればしめたものです。自由に書くというマインドセットに、一歩近づいたのだ思います。そうではなく、フリーライティングしないことに不安を感じたり、あるいはまったく何も感じない、というときもあります。その場合は、もう一度習慣化のステップに戻ります。でも、そのステップは、たぶん前回ほど長く (たとえば3週間) 繰り返さなくても、習慣化できたという手応えを感じることが多いようです。そうなったら、また止めてみます。

ぼくは、仕事などの事情でやむをえず習慣化のプロセスを中断したとき、この「わざと止めてみる」ことの意味に気づきました。習慣化しつつあるフリーライティングを意識的に止めることで、「いつでも書ける..」という慣性が、自分の中にどの程度強く育っているのか、その大きさを感じ取れます。その結果、「いつでも書ける..」という手応えを、心や体で覚えることができます。

2.2. 本当のフリーライティングへ

こうして、「いつでも書ける..」感覚を何となく実感できるようになったら、それまで繰り返していた習慣化のルールを、思い切って取り払ってしまいます。

フリーライティングする時刻や始め方などのルールを取り払ったとしても、それがリズム化している訳ですから、しばらくの間ルールどおりに、たとえば毎朝書いてしまうこともあります。でも、それはそれでかまわないことにしています。そして、毎朝フリーライティングしながら、他にもっとやりたいことがあると気づいたとき、今度は、遠慮なくそのことに取り組んでいいことにしています。それまで、フリーライティングを優先するあまり、後回しにしてやっていなかったことを、オープンに受け入れるのです。

別のことを始めると、習慣は永遠には続かないようです。ですから、決まり正しく行わず、でも、その習慣をバランス良く維持することは、とても難しいはずです。でも心配はしていません。もしある日、「いつでも書ける」感覚を見失っていることに気づいたら、もう一度、習慣化のプロセスを繰り返せばいいと考えています。

書き始めるとき、「書きたくない」あるいは「書けない」という気持ちが心の中に生まれるのが普通なのだと、ぼくは思っています。たとえ書きたいというスイッチが入って書き始めるときでも、思ったとおりに書けないとき、すぐ「やっぱり書けないかな..」という気持ちがどこかに生まれます。しかし、フリーライティングで、とにかく書くというプロセスがクセになっていれば、その慣性で「書けない」フリクションを乗り越えられる場面が増えます。そしてその経験は、「いつでも書ける」という自信にポジティブ・フィードバックされると感じています。

2.3. おわりに

では習慣を取り払ったあと、いつ、どのようなときにフリーライティングするのでしょうか。その答えを一言にまとめると、自分の生活にフリーライティングが役立つ場面を意識的に探しながら、気楽に使っていけばよいと考えています。

そこで、次回からいくつかの例をあげながら、フリーライティングが、ぼくたちの生活に役立つ場面を紹介して行く予定です。それは、アウトライン・プロセッシングとも密接に関わっています。

今回のまとめ

フリーライティングが習慣になったと感じたら、より「自由」なマインドセットに近づくため、その習慣をわざと崩します。そして、自分の中の反応を眺めます。「いつでも書ける..」という感覚があれば、前のステップで習慣化したことを思い切って捨てます。フリーライティング以外のことも、オープンに受け入れます。

規則にしばられず、習慣をバランス良く維持するのは難しいことです。もし「いつでも書ける」感覚を見失っているのに気づいたら、もう一度習慣化のプロセスを繰り返せば、よりしっかりした形で思い出すことができます。その結果、とにかく書くという習慣の慣性で、「書けない」という心のフリクションを乗り越えられる場面が増えると、ぼくは考えています。