gofujita notes

on outline processing, writing, and human activities for nature


Bullet Journal でフリーライティングつき todo list をつくる

Bullet Journal で、いちばんよく使うのは Daily Log。いわゆる todo list が中心のページだと理解している。

リストをつくるのにかける時間は、10分くらい。その中には、これからお話しする、フリーライティングの時間も入っている。

この todo list は完成品ではなく出発点。時間が過ぎていく中で、リストの項目が増える (新しくやりたいことが加わる) こともあるし、減る (やることをしぼったり、できないことを悟ったりする?) こともある。そういう気持ちで、気楽につくるよう心がけている。

でも、個人的な感覚かもしれないけれど、todo list をしっかりつくろうとすればするほど、なんだか落ち着かない気分になることも多い。Todo list に一日が追われるような感覚と言えばいいだろうか。

その対策としてぼくは、フリーライティングを todo list のそばでやることにしている。そうすることで、todo list がより自分のものになるような実感がある。

 

1. Todo list づくりのための情報をあつめる

Todo list を書きはじめる前に、ぼくはまず「約束のリスト」を見なおす。これは、テキストファイルでつくった、一階層のシンプルなアウトライン。

だれかと約束した締め切りなどの日時が入ったリストで、日付順に並べてある。カレンダーではなくリストで操作する方が、なぜかぼくには合っている感じ。カレンダーを使うのをやめるには、少し勇気が必要だったけれど。

項目数がいつも20より小さくなるよう、心がけている。これは、ぼくが何度も安請け合いして迷惑をかけたことへの対策。

この約束リストも、そのうち Bullet Journal へ移す予定。シンプルなリストなので、日付順に並べ替える問題さえクリアすれば、すぐできるはず。

そして、Bullet Journal の前日の Daily Log も見直す。きのう何ができて何ができなかったのかを頭に入れるため。

(この2つのリストを見直すのに、かかる時間はたぶん1分未満)

2. リストをつくりはじめる

要点が頭に入ったら、一呼吸おいて頭に浮かんだ項目を書きだす。一番やりたいこと、一番やらなければいけないこと (やらないと心が落ち着かないこと) だけにしぼるよう、何となく心がけながら。

たとえば、今週火曜の朝、ぼくは下のような項目を書きだした。英語好きなので、勉強もかねて英語で書くことにしている。わかりにくいのは、ご容赦を。

まず、リストに上がるのは、締め切りのしっかり決まっているものが多い。その締め切りが間近なときはなおさら。この日だと、雑誌編集の仕事 (1番上) と研究プロジェクトの経理処理 (2番目)、聞きたいセミナーに顔を出す (3番目) までを書いた。センテンスが動詞からはじまっているのは、David Allen に倣った形。

David の教えに背き (?) 30分程度の作業は、やや大雑把でもひとくくりにしてしまう。この例だと、何度もやっている経理処理はかかっても20分という見とおしがある。あと、セミナーに顔を出すなんて作業は、ほっといても行きたいのだから、かんたんでいい。いつもの時間にいつもの場所なので、開始時刻や会場名を書いたりしない。

左のマイナス記号のようなものが英語で言うとダッシュで、終わってない作業ですよ、ということを示す記号。これは Patrick Rhone の Dash/Plus システムに沿っている。

3. フリーライティング

気楽にしているつもりでも todo list を書き始めると、ついあれこれと作業が浮かんでくる。あ、あれ忘れてたってことがひとつでもあると不安感も広がるし、「こういう仕事に追われていいのかな」と思う気持ちも、心の奥底のたぶん左隅っこのあたりに顔を出すときが多い。

で、そんな落ち着かない気持ちに気づいたら、フリーライティング。かける時間は、3分から5分と短めでいい。ただし、これを todo list のそばでやる。

上の図の、右ページがそのフリーライティング。「今日をどんな日にしたいか?」が常套句。これを先頭に書き、頭に浮かんだ答えをそのまま文章で、下につづける。

2行ごとに1行あけているのは、リライティングしやすくするため。この2行が、ひとつの項目になるように、ある程度意識している (この例では、2つめと3つめの区切りが少し変になってしまったけれど、まぁ気にしない..)。ただし、項目の先頭にダッシュのような bullet はつけていない。今のところ..。

このときは「自分の研究について、10年くらい先の時間を意識しながら、ゆっくり考える時間をとりたい」という文章ができた。

実はこの前日、大きな締め切りを無事終えたばかり。余裕ができたので、自分の研究について少し長い時間スケールで何ができるかを考えてみたいと、心のどこかで望んでいたのだろう。

(ここまでで、6–7分経過)

4. 再びリストづくり

自分の気持ちが見えたと思ったら、リストづくり再開。左ページのつくりかけの todo list に4つめの項目を加えた。Life synopses (生活のアウトライン) をリライティングするという項目。

この life synopses もリストのひとつで、自分の生活を意識しながらフリーライティングした文章を要約したセンテンスのリスト (リスト好きなのです.. 笑)。これも今は Mac のアウトライナーに入っている。

ただし研究のことが気になっているから、life synopses も研究関係の項目を中心にリライティングしよう。

これでかなり満足。

あとは、今進めているプロジェクトに関係する作業を、これまた極力最小限に減らすことを意識しながら書き足して、できあがり。

(締めて、およそ10分)

そしてもちろん、すぐに life synopses のリライティングにとりかかる。だって、たった30分でいいのだから (右のフリーライティングにそう書いてある)。

 

* * *

 

見開き2ページを単位に考え、左を todo list、右をフリーライティングや自由なノートの場として使う、という点がミソ。

フリーライティングの文章は、リライティングすることを意識している。

Todo list のそばにフリーライティングの文章を置くことで、todo list がより自分のものになる感覚を深めることができる。見直したときにも、自分がどういう考えで、その日のタスクを取捨選択したか思い出しやすくなる。

これは、Tak.さんが「ライフ・アウトライン」の一部として書いたことがベースになっている1, 2

ぼくは、これまでアウトライナーでこの作業をやってきた。それを、先に紹介した「フリーライティングの階層をのぼる」で紹介した方法と同じように、Bullet Journal でアウトライナーと似た作業を進めるデザインを考えたワケだ。

今回のフリーライティングは、todo list を自分のものにするためのものであり、前回のフリーライティングは、ノート (jotting down) したアイディアを自分のものにするためのものである。これで2種類のフリーライティングが、Bullet Journal ノートで実行できるようになった。

こちらもはじめたばかりだから、実際に使いながら改良していくつもり。ほんとうにかんたんな方法なので、ちょっとでも気になった方は、ぜひお試しあれ。

 

  1. Tak. 2016. アウトライナー実践入門. 技術評論社, 東京.
  2. そして、こちらの記事もオススメです。ぜひに。