on outline processing, writing, and human activities for nature
2. ぼくと Org
2-b. いちばん上位にある太い枝は7つ
Org はアウトライナーです。アウトライナーは階層構造、つまり樹状構造の表現や操作が得意で、項目の下位にあるものを折りたたんで隠したり、折りたたんだものをひとまとめに別の場所へ移動したり、コピーしたりすることもできます。
(アウトライナーって何? というあなたは、よろしければ「アウトライナーの4つのコア機能」をよんでみてください)。
「My life outline」というぼくの Org ファイルの最上位階層、木のいちばん太い枝の部分は、こんな形をしています。それより下位の文章やデータは、折りたたんであります。
2年半かきつづけてきたノートです。最初からこのような構造をつくったワケではなく、日々かきつづけたノートを少しずつ按配していった結果です。ですから、この先も太い枝が増えたり減ったり、枝の形も変わりつづる可能性が高いと思います。
大切な項目は上から7つ目まで。7つの太い枝があるワケです。階層は浅くて、せいぜい3階層。ただし論文関連の項目 (study A、study S、study B) には、データなども入っているので、もう少し階層が深くなっています。
いちばん上に置いた項目「freewritings/ task arrangements/ logs」は、フリーライティングや、タスク管理のためのリストなどが含まれます。ここは少しややこしいので、この後すぐに少しくわしく説明します。
つぎの項目3つ、「study A」.. はつくっている最中の論文のノートや原稿、データ、そして解析やグラフ作成のための R 言語のスクリプトもここにあります。
つぎの3つ「Smalltalk notes/ logs」.. は、ノートやログが中心。日々文章やコードをかいたり、しらべたりしている Smalltalk と Emacs、そして、それ以外のノートがここに入っています。
2-c. はじまりの freewriting
いちばん上の枝「freewritings/ task arrangements/ logs」にフォーカスして、少しくわしく見てみましょう。
折りたたんでいる項目を開くと以下のように、たくさんの項目が現われます。
はずかしいので、仕事に直接関係するものは外してあります。
まずいちばん上の「freewriting」はとにかくフリーライティングする場です。朝いちばんで、とにかくここに何かをタイプし始める日が多いでしょうか。
そして、このフリーライティングの内容から、一部切り出したり、並べ替えたりかきなおしたりしたものにタイトルをつけ、3つ目以下のたくさんの枝として育っていきます。ブログになったり研究ノートを通って論文になったりもします。
「study A」などの論文原稿やノートと解析用コードの項目、そしてEmacs のノートや Lisp のコードなどの項目も、この「freewriting」でかきはじめ、ある程度の枝に育った段階で、下の項目へ移動し、さらに一階層上の太い枝に育ったものです。そうそう、仕事のための研究費の申請書などの文章も、ぼくの場合はこの「freewriting」からはじまります。
そう。この「freewriting」という枝は、「はじまりの freewriting」が生まれる場所です。そこは「さて、何をかこうか」というお決まりのかき出しからはじまったテキストデータが、何か月、何年かかけて大きな太い枝に育つこともあれば、そのまますぐに消えたりする場所なのです。
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ここまで出てきた例をみるだけでも、ぼくの生活に関係する覚書きのメモから、申請書のようなドキュメント、野外データや Lisp や R のコード、そして長い文章の原稿まで、さまざまな種類の文章やデータが、この Org の上で、7つの太い枝にまとまっていることが何となくよみとれると思います。
これこそが、Org をつくりだした Carsten さんが目をつけたアウトライナーという機能の強みなのです。