on outline processing, writing, and human activities for nature
マーヴィン・ミンスキーが、『創造する心 Inventive Minds』(大島芳樹訳. オライリー・ジャパン) の ESSAY 2 で、興味深いことをかいています。
世の中に数学嫌いが多い理由についての議論です。主なターゲットは、子どもたちが数学を教わる小学校やハイスクールでの数学教育システムですが、それ以外の場所での学ぶ場にも当てはめられると理解しました。
ぼくなりの要約なので、独断と偏見いっぱいのリストです。気をつけて。興味をもった人はぜひ本をよんでください。とてもいい本です。
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さて、上にあげた4つのどれもが、たとえば大人になってから新しい分野の体系を学ぼうとしたときに、たくさんのヒントを与えてくれます。
たとえば 1 では、数学を学ぶときに、このアイディアがどんな問いへの答えを得るためにどんな風に役立つことなのかを意識しながら学ぶことで、そのアイディアの背景や価値、生活での役割は何かという自分なりのアイディアをつくるきっかけになります。もしかすると、数学の世界への、新しいつかい方の提案に繋がるかもしれない。
あるいはたとえば 4 では、自分が学ぶためにも学んだことを「語る」プロセスが大切という視点が示されています。たとえば群論を語るためには、名詞だけでなくどんな形容詞があり、それはどういった状態を指しているのかなどを自分のことばに翻訳することで、つまり自分なりの群論の理解を進めることにもなる可能性がある。
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あなたが、数学が好きで仕方ない人なら、このミンスキーさんの議論のどこに賛成し、どこに反対、もしくは何か足りない点があると閃いたでしょうか?
あなたが、数学嫌いなら、このどれかひとつかふたつを試してみるのもお薦めかなと思います。そして、それが自分に合っていれば数学好きの気持ちが分るでしょうし、足りないことが分ればそれが何か、新しいアイディアをつくれるチャンスになるかもしれません。
数学が好きな人は好きになった、そして嫌いな人は嫌いになった、あなただからこその歴史があり、そのあなただからこその理由をあなたのことばで表現できるはずです。それは、数学という体系について、あなたなりに向き合う時間になります。
そんなことを、たとえばお気に入りのノートブックにかいたり、ノートアプリにリストアップするだけでも、損しないとぼくは考えています。だって数学は、あんなにすばらしい知の体系なのですから。