gofujita notes

on outline processing, writing, and human activities for nature


ペンを机の上にころがしておく

たとえば、ある学会大会で新しい情報を山ほど聞き、親しい人や新しい人たちと熱い議論を繰り返し、頭が飽和した日の夜。

シャワーを浴びて一息つくと、目の前の机には万年筆と情報カードの束。今日はもう頭いっぱいと思っていたのだけれど、ちょっとだけ書くのもいいかなと、いつものフリーライティング

「さて、何について書こうか。そうそう、初めて会ったK大のSくんが訊いてきたことだけど..」

フリーライティングでは、頭に浮かぶことをそのまま文字にしていく。

大好きな書き心地の万年筆には、お気に入りのあのインクが入っている。スクリュー式のキャップは程よい回転数で外れ、それをカードの奥にていねいに置く。そして、これまた書き心地満点のA5サイズのカードに書き始める。

最初はただ文字を書くことが楽しい。そして、楽しいからもっと書きたくなり、書くから考えが落ち着いてくる。

考えが落ち着くと、何となくだけどアイディアが順序よく出てくるようになる。そういう感覚ができると、カードを書く楽しさの階層がひとつ上がる。そうすると、もっと書きたくなり、それから、それから..。

そう。この記事は、たとえば、くたびれるほどたくさんの情報に出会った日の夜、思わず書きたくなるペンと紙をその辺にころがしておくことが、その情報を少しだけど自分のものにできる道具になりますよという、万年筆フリークの与太話でした。