gofujita notes

on outline processing, writing, and human activities for nature


Scripting News のしかけを考える その2

Scripting News のしかけを Emacs の org mode でつくるにはどうすればいいか。

繰り返しになるけれど、Scripting News は Dave Winer さんのブログ。彼はブログやアウトライナー、RSS やポッドキャストなどの父とよばれている。

この Scripting News をつくるしかけとして鍵になる要素は大きく2つあると、ぼくは考えている。

ひとつはアウトライナー。大きなテキスト中心のデータベースがアウトライナーでつくられ、編集されながら管理される。ぼくたちはそこでフリーライティングしたり、よんだ本や論文のノートをとったり、それらを基に自分の考えを育てながら公開を念頭においた文章もつくり、たとえばブログやエッセイ、論文や本として発表している。

もうひとつは Twitter のような小さい文章断片を公開する SNS。文章断片を公開する場としての SNS。

Scripting News をみていると Twitter などで公開された文章断片が一部、あるいは全部を構成する形で一日のブログになっている。アウトライナー論のTak.さんは、これをランダムノートとよんでいる。

小さな文章断片の公開は、文章をつくり公開するという作業のハードルを低くしてくれる。

公開を意識することで、自分用の文章をかくときとはちがう心もちをもつことができる。他の人にも理解しやすい説明を考えることで、自分が分かったつもりで分かっていなかった部分をみつけ、そこから新しい発見が生まれることも多い。

そしてたぶんだけど、公開することを意識して文章断片をかくことで、文章のモジュール性を高めることができる。単独でもある程度完結しているので断片の集まりを按配しやすい。なのでもしかすると、按配の試行錯誤をとおしてより大きな階層のメッセージを見つけやすくなるかもしれない。

Tak.さんは Scripting News を以下のように表現している。

..その基本がランダムノートだ(ワイナーがそういう言葉を使っているわけではない)。特に脈絡なく複数のトピックが一日という枠の中で連結されている。その中に、タイトルを持った「まとまった」記事が(やはりランダムに)混じる

(Word Piece. ランダムノートについてのテーマを持ったランダムノート)。

これは文章断片から別の何かが生まれるような (でも生まれないような)、ある可能性をもった (でも可能性がないような)「ランダム」の大切さを指摘しているのかもしれない。

まとめると、Twitter のような SNS、たとえば Mastodon に小さな文章断片を公開しながら断片群をある時間スケール (たとえば1日) ごとにゆるく按配した段階でまとめて (その一部か全部を) 公開する、という作業をやりやすくする小さなしかけを org mode でつくってみよう。

もちろんできる範囲でいい。