gofujita notes

on outline processing, writing, and human activities for nature


どっぷりハマれない読書術

小さいころから集中力があまりなくて (静かにしなさいと小学校の先生に教卓のとなりに座らされても、じっと座っていられなかった)、そのせいもあってか、ぼくは一冊の小説を一気によみ終えたことがない。

物語の深みにハマりそうになったらよむをの止め、ぬかるみから足をゆっくり抜いて、自分の足の入っていた穴のあいたそのぬかるみを眺めたくなる。

だから、いつも小説を二冊以上もち歩いている。よみやすくて夢中になってしまいそうな作品でも、それだけを延々とよみつづけられないし、よみつづけないように意識もしている。

そのおかげで (?)、ある物語をよんでいるときにも、並行してよんでるもう一冊のことが頭のなかにあるし、そのもう一冊の内容を咀嚼する感覚を愉しんでいるところもある。

小説以外の本だと、そうでもない場合も多い。

たとえばジャック・デリダをよんでいたときは、一冊をああだこうだ、前へ進んだり、また元にもどったり、少し先をわざとよんでからまた元へ戻ったりしながら、よみ進め、一冊よみ終わってからつぎの一冊へ進んだ。

並行してほかの本をよむ余裕がない。ぼくの情報処理の限界があるのだと思う。

一篇の小説にどっぷりつからないでよむのは、一人称の物語であっても三人称的な距離でよもうとするのに似てるのかなと思ったりするけれど、勘ちがいの可能性も大きい (笑)。

でもそうやってよむ方が、愉しめる物語も意外と多いのではと思うときもある。

良いか悪いかは分からないけれど、今のところ自分にいちばん合ったよみ方だと思っている。