on outline processing, writing, and human activities for nature
自分の人生を考えるためのフリーライティングをしてみよう。
いつものような、研究したいとか、生きもののついての謎解きをしたいとか、そういう自分のしごと以外について、気もちを探りたい。
いつも笑っていられるしかけを用意しよう。
何か言われたときに、どんなときもよろこんで手伝える心もちを組み立てよう。
それでいながら、自分のことをまず第一に大切にしたい。
自分のために、細く長く読み続けられる時間を過ごしたい。
本を読んでいるときに聞こえてくる、物語の主人公たちや著者の声は、生きる力の一部になる。
自分勝手な希望として、あの村の田んぼと森のなかで日々を過したい。
この気もちについて、もう少し書いてみよう。
たとえば朝起きたときに、ベッドか布団のなかで、窓のすぐ外、畑の向こうにある河畔林から鳥の声が聞こえる。
とうとうと続く川の音。秋であれば、その河辺に生えたクルミの木にとまって空中の虫を採るヒタキの仲間の小さな声まで聞こえるときもある。
そのてっぺんにとまったノスリが鳴く。ここはわたしの家だと大きな声で鳴く。
うちのなかでゴロゴロしながら、そんな音や声が聞こえる幸せを味わいたい。
朝ご飯を食べていると、うちの前の坂を車が下りてくる。同じ村に住むあの人の軽トラックのエンジンとタイヤの音。土の地面をタイヤが踏みしめる音。
10秒も経たないうちに玄関の引き戸が開く。いつものように、あの人が家の畑で採れたというトマトとキュウリをもってきてくれた。
お礼をいいながらこう考える。来年は、自分の畑で採ったトマトとキュウリを朝のサラダにしよう。
赤くなってからもいだトマトと、皮に新鮮な張りのある瑞々しいキュウリを食べる幸せを、それが自分にも育てられるという手応えといっしょに味わいたい。