on outline processing, writing, and human activities for nature
野外調査のフィールドにきて8日目。そろそろ今回の調査もひと段落。心に少し余裕ができる頃。
で、調査のあいま、フィールドにしている田んぼのもち主でもあるナコさんのところへ寄った。マエブレもなく、とうとつに暑い夏の昼下がりに彼女の家を訪れた。
にも関わらず、もう90才が近い、立ち上がったり歩いたりするにも時間のかかるナコさんは、笑顔でぼくを出迎えてくれる。
まるで今朝も会っていたかのように、久しぶりとかそういう決まり文句などは使わずに、彼女は話しはじめる。
暑いとまぁいろんなことがある。おとといは、こんなことで笑ったとか、きのうは、あんなことで笑ったとか、そういう話しを聞かせてくれる。
あなたが来てくれてこうやって、話しができるだけでももう、私たちはうれしいんですよと口にはしないけれど、そう語りかけられているような心の底のあたりから湧いてくる感覚が生まれる。
彼女たちのようにいつも明るく、友人や隣人を出迎えられるような人でありたいと、いつものようにぼくは思う。それだけのために暮らして行くのでいいじゃないかと思ったりする。