gofujita notes

on outline processing, writing, and human activities for nature


空をみあげる

「ひらきなおる」は、好きなことばのひとつ。

マイナスの意味も入っていそうだけど、よく耳にするのはプラスの意味を大事にしたつかい方。

よくみかける「ひらきなおる」は「今の自分ができることにフォーカスする」をこなれた日本語にしたものと捉えているけど、いかがでしょう。

何かをやりたくてジタバタもがいた末に、「あ。今の自分、ひらきなおったな」と感じる瞬間が好きだったりする。

オリジナルをみつけられないのだけど、結城浩さんがどこかに「(大きな)失敗をしたときは、まずひとつのことに集中して作業する」とかかれていたように記憶している。

これは、ぼくのような失敗の多いおっさんには大切なことば。

失敗したことをあれこれ悔やむのも人間だから仕方ないけど、今の自分ができることにフォーカスして、何はともあれ自分のできる作業にとりかかる。

はじめたひとつの作業をつづけることは、はじめる前の予想より5倍、いや20倍くらい愉しいことが多い。

そして、これは個人的な限られた経験だけど、その作業を進めることで、つぎの成功の糸口がみえることも少なくない。

今の作業が愉しくなって、その前の失敗の思い出が軽くなる効果も入っちゃってるので現実はもっと厳しいかもしれないけど、おっさん的経験では7割くらい新しい成功のきっかけがみえてくるように感じている。

「こつこつ」ということばも好きな日本語のひとつ。

ぼくの勝手な解釈も入っていそうだけど、ゴールなど気にせずに今やっていることを大切にして、できることと向かいあって作業している様子を表現する副詞(?)。人間の心の強さをうらづけることばだと理解している。

これまたおっさん的経験では、最初の10歩でこつこつ移動できる距離よりも、つぎの10歩で移動できる距離は大きい感覚がある。そのつぎの10歩ではさらにたくさん移動できることが多い。

もちろん、いろいろな新しい問題もまちかまえていて、進めなくなることもよくあるのだけど、目の前の問題を越えたあとの10歩はさらにたくさん移動できる感覚がある。

人間の心は弱くて、残念なことも山ほどやってるんだけど、たとえば自然科学という活動をとおして人間が手にしてきた「知識」や「テクノロジー」は、天才とよばれる人たちも含めたいろんな人たちの「こつこつ」があったからこそと、個人的には予想している。

で、最初にもどる。

ひらきなおったぼくができる好きなことのひとつは、空をみあげて大きく呼吸すること。

え、それが作業?

はい。もちろんそうなのです。

こつこつと青い空をみあげ、透明な空気を吸いこんではゆっくり吐きだすことで、生物であることの幸運を思いだすのです。