gofujita notes

on outline processing, writing, and human activities for nature


9月22日 午後8時5分

いつの間にか、電車を降りて改札を出るとアオマツムシが聞こえるようになる。

その声は上から降るようであり、地面から湧き上がってくるようでもある。

歩いている細い道の先はるか遠くには、黒い森。

森の上空で雲は月に照され、右手には相変わらずの赤い火星。

それから雲はゆっくり形を変える、アオマツムシの声が染みとおった空気の向こうで。