on outline processing, writing, and human activities for nature
September 23, 2018
いつの間にか、電車を降りて改札を出るとアオマツムシが聞こえるようになる。
その声は上から降るようであり、地面から湧き上がってくるようでもある。
歩いている細い道の先はるか遠くには、黒い森。
森の上空で雲は月に照され、右手には相変わらずの赤い火星。
それから雲はゆっくり形を変える、アオマツムシの声が染みとおった空気の向こうで。