on outline processing, writing, and human activities for nature
ぼくは、生きものの研究を職業にしている。
これは、生きものが大好きなぼくにとってこの上ない幸運であり、生きものを研究するために論文や本を読み、データを採るために田んぼや森を訪れ、集めたデータを解析したり論文を書いたりする生活は、決して楽チンとは言えないけれど、そういう生活を過ごせることに感謝している。
たとえばこの職業 (広い意味で使っています) を終えたあとも、あるいはぼくや奥さんが年をとってきたときも、こうした日々を一日でも多く過ごすことができるよう、無理しない範囲で考えたり実行したり、時間やお金を使ったりしていきたい。
そのために大切なことのひとつは、生きものが「大好き」、科学や学問を使って考えることが「愉しい」という感覚を育てつづけることだと考えている。
「大好き」や「愉しい」の上にあぐらをかいてはいけない。
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たとえば、この生きものが大好きという気持ちは、どこでどんな風に始まったのか。
たとえば、科学という方法のどこに自分は信頼を置き、どこに不満をもっているのか。
たとえば、考えるプロセスとして、書きながら考えることが本当に一番のやり方なのか。
たとえば、フィールドで遠くを眺めることやそこに暮らす人たちの笑顔を思い浮かべることが、なぜ研究のモチベーションになるのか。
たとえば、出会った生きものたちの出来事を物がたりのように理解し話してくれる奥さんの声が、なぜ科学的な創造性への憧れにつながるのか。
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そういった問いを出発点にして、文章を書きながらあるいは絵を描きながら見つけたことを記録するのも大事かなと考えたりしている。
たぶんこれが、ぼくがブログを書き始めた理由のひとつ。