on outline processing, writing, and human activities for nature
田んぼというのは、
平らにならんでいるものなのだけれど、
それを山につくると、
だんだんになる。
ここの田んぼは、
平らでもなく、かといって
だんだんでもない。
ゆっくりと盛り上がったり、
どっしりとくぼんだりする。
田んぼというのは、
低いところにならんでいるものなのだけれど、
ここの田んぼは、高いところの
てっぺんにもならんでいる。
その高いところの田んぼの畦に
農夫は立ち、ことの成り行きを見つめる。
夕日は沈み、東からの風が稲の上を走る。
カモシカは鳴きもしないし
雲は金色に光る。
ノスリが鳴く、ノスリが鳴く。
風は稲の上を走るし
カモシカは鳴きもしない。
とういことであれば、やはりここは
農業生態系のレジリエンスを
信じるのがいちばんである。
カモシカは鳴きもしないし
風は、言うまでもなくたおやかである。