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ecology of biodiversity conservation

notes

on ornithology, ecology, conservation of biodiversity, natural history, evolution, outliner as a personal dynamic media, and writing


Stillness (何もしない). January 27 2015

Will you be a reader, a student merely, or a seer?

I did not read books the first summer; I hoed beans. Nay, I often did better than this.

I love a broad margin to my life. Sometimes, in a summer morning, having taken my accustomed bath, I sat in my sunny doorway from sunrise till noon, rapt in a revery, amidst the pines and hickories and sumachs, in undisturbed solitude and stillness, while the birds sing around or flitted noiseless through the house, until by the sun falling in at my west window, or the noise of some traveller’s wagon on the distant highway, I was reminded of the lapse of time.

They were not time subtracted from my life, but so much over and above my usual allowance.

(Henry D Thoreau. 1854. Sounds, Walden)


あなたは、読む人でありたいのか、単に学ぶ人でありたいのか。 それとも、真実を見る人になりたいのか?

(Walden で暮らした) 最初の夏、私は本を読まずに、畑でマメを育てた。 いやいや、それよりももっと良いことをした。

私は、人生の大きな余白を大切に思っている。 夏の朝にいつもの水浴びをしたあと マツやクルミ、ウルシの森の中で、 そして、誰にも邪魔されない孤独と静寂の中で、 日の出から昼まで、陽あたりの良い戸口前の軒下にすわりながら もの思いにふけったことがあった。

あたりでは鳥がさえずり、 うちの中を静かな羽音がとおりすぎる。 太陽の光が西の窓にさす頃、 あるいは、遠くの道を走る旅人の荷馬車の音が聞こえてくる頃、 時間が経ってしまったことに気づくこともあった。

それは、私の人生から差し引かれることのない時間だった。 いや、普段手にしているもの以上に、たくさんの収穫をもたらしてくれる時間だった。


ここで Thoreau は、何もしない時間をとることの大切さとそのやり方を書いている。 自分の気に入った場所にすわり、たとえば日の出から正午まで何もしないでいる。 それは、人生から差し引かれることのない時間であり、 他のどんなことよりも、大きな収穫を得ることができる時間である。

この「何もしない」は、瞑想と少しちがう。 特別なやり方がある訳ではないし、 時間に制約がなく、数か月でも数日でも数時間でも、たぶん数秒でもよい。

この「何もしない」が伝えているメッセージは2つあると思う。

ひとつは、 誰もが今の自分を受け入れる権利をもっている、ということ。 何もしなくてかまわないということは、無理して変わる必要などはなく、みんな今のままで十分に Okay、という前提あってこその考え方である。

もうひとつは、 何もしない時間を通して自分の中の声を聞くのが何よりも大切である、ということ。人は、忙しく生きていると、あるいは情報を取り入れてばかりの時間をすごしていると、つい自分の中の声を無視してしまう。それがつづくと、まわりからの情報なしで、これから何をして良いか決められなくなる。

自分の声を聞くことができる人は、 次に自分が何をしたいのかを、知っている人である。 「何もしない」ができる人は、効率を上げる技術に忙しい人よりも、 長い目でみると「正しい道」を進むようになるかも知れない。あるいは、自分で選んだ道が正しかったと、確信するときが増えるかも知れない。

したがって、それは「人生から差し引かれることのない時間」になる。「何もしない」ができる人は、雨の日曜の午後に何をやっていいのかを知っているし、難破した船から身ひとつで海岸に流れ着いたときにも胸を張って、私は自分の財産をすべて身につけている、と言えるだろう。

もしあなたが、情報のあまりの多さに息苦しさを感じたなら、あるいは情報をあたえてくれるガジェットなしで暮らしていけないと思うことがあったなら、好きな珈琲でも淹れながらひとつ深呼吸でもして、この Thoreau の言葉をながめてほしい。英語の下の日本語は、私の解釈である。彼の言葉には何通りものメッセージが入っていることが多いから、できるならオリジナルの本をオススメしたい。もちろん通して読めなかったからといって気にすることはないし、彼もそんなことを望んでいないと思う。

この「何もしない」というアイディアは「目標をすてろ」の出発点である。そして、この「何もしない」ことと「目標をすてる」ことの意味を理解してはじめて、仕事術や啓蒙書に書いてある技術の多く (長期目標を明確にしろというアドバイスも含めて) が意味をもつのではないか、と思うこともある。



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