on outline processing, writing, and human activities for nature
眠れない夜。
たとえば、スマートフォンやタブレットの明るい画面をみると、ますます目が冴えてしまう。
たとえば、どんな情報が流れてくるか分からないSNSで、気を重くするようなニュースや tweet を読んだりすると、がっくりきてあれこれ考えそうになる。
メールは、もっと危険 (?)。
仕事仲間からの「大至急!」なんてメールはもちろん、しばらく会ってなかった友人からの自慢話し、たとえば、自分もやりたいなと思ってたことを先にやっちゃったよーなんてメッセージが届いてたりしたら、気になってますます眠りづらくなる。
元気な朝なら笑い飛ばせる些細な情報も、眠れない夜には、あれこれつべこべ考えそうになる。
*
でもそれは、あなたのせいではない。
眠れない夜は、今の自分に根が生えていない状態。自分のスケールがふらふらしている状態。
いい意味でも悪い意味でも、きのうあなたがやった仕事をある程度忘れちゃってる状態。
よく分からないけど、考えていることが根を張れずに、飛躍したり暴走したりしやすくなる状態ではないかと、ぼくは考えている。
そういうときに、自分の位置を評価することは難しい。
*
だからその代わりに、たとえば自分が好きな作家の美しい文章で綴られた物がたりを、目をつぶり、音で味わおう。
たとえば iPhone にイヤホンを繋ぎ、好きな作品を好きな俳優が朗読した Podcast のつづきを聴こう。
そして、聞こえてくる言葉にフォーカスし、音を追いかけ、その音声が描く風景やシーンを頭の中に浮かべるのだ。
ぼくはなぜか言葉がいいし、音声から絵を思い描くのが楽しいけれど、音楽がいいという人もいるだろう。
ぼくは英語フリークなので (得意という訳ではない)、英語の作品を英語で朗読したものを耳で追いかけるのが好きだ。
*
眠れない夜、目を閉じて、あの作品のあのリズムを耳で楽しみながら、そこで描かれる風景の中で眠りに入れることは、本当に幸せを感じる瞬間であり、その名作を自分のものにできるという、大きなおまけもついてくる。