on outline processing, writing, and human activities for nature
きのう、アメリカ東海岸から来た研究者と昼ごはんを食べ、その後、少し話しをした。何人かの日本の研究仲間や学生たちも一緒。
その時の会話で、印象に残ったことをひとつ。
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まず、一緒にいた30代半ばの研究者が、こんな風に話しはじめた。優秀な彼は若くして今の職に就き、たくさんの仕事を精力的にこなしている。
「環境問題や生物保全の活動や研究には終わりがない。ある問題を解決できたと思ったら、もう次の問題がまっている。そんなことを一生つづけることが、苦しいと思うこともある」
そして、こうつづけた。
「だから(この分野で大きな成果を挙げてきた)あなたに訊きたい。あなたの仕事にとってのゴールは何ですか?」
アメリカ東海岸の彼は、少し間を置き、胸を張ってこう答えた。
「Make a difference」
そばにいた別の研究者は、それを「世の中を変えるような大きなことをする」と理解したようだ。それはたぶん間違っていない。
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でもぼくには、少し違うようにも聞こえた。
小さくていい、まずひとつ新しいことをする。人や生きものたちにとって、少しでいいから今より良い状況を創り出す。
それが、人生のゴールである。