on outline processing, writing, and human activities for nature
たとえば、週末二日のうち土曜の午前中を、自分にとって一番大切なことやる時間と決める。
では、自分にとって一番大切なことは何か。
これを選ぶのがとても難しい。その理由のひとつは、一番大切なことが日々変化するからではないかと予想している。
だからまずは、今 (土曜の朝6時) の自分の心に訊いてみる。具体的には、今気になっていること、ドキドキしていることを5分のあいだに浮かぶ範囲で書き出してみる。
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書き出す道具は、アウトライナーでもいいし、情報カードに万年筆でもいい。そして、自分がやりたい順番に並べる。大雑把でいい。たとえばこんな感じ。
ポイントは、身構えないこと。今、あなたの頭に浮かんでいる気になっているものを書き、心の奥深くからひっぱり出そうとしないよう心がけること。たとえば「ぼくの人生にとって、本当にこれは大切か」などと自分を追い詰めるようには訊ねないこと。
文章の形は、名詞から動詞まですべて揃った完全な文体で微妙なニュアンスも入れるようにする。
この例だと、ぼくはため池の論文を書きたくて、島の鳥のデータ解析を進めたいのだ。それが一番大切なこと。これでよし。
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週末にやりたいことなのだから、もし平日早朝の「しごと」時間や平日の仕事時間にも作業できる項目があれば、優先順位を落としてもいい。
例の一番下にある雑誌編集の項目は、他の人との約束に関係した項目。約束のリストは出来るだけ膨らませないよう、週末には入らないように心がけているけど、溢れてしまうときがある。
休日にまで溢れてしまった約束のリストのあつかいが、ちょっと難しいところ。少なくともこの項目の作業は、30分や一時間でもそれなりに進められる作業だし、仕事時間にはできないボランティア作業だから、週末の午後のどこかの時間に配置することで、心を安心させておく。
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リストを操作しているうちに別のやりたいものが浮かんだら、リストに加える。ただし、リストが大きくなり過ぎないような仕組みもつくっておく。
浮かんだアイディアをまずは書き出し、それが、今のリストの項目よりもやりたい項目かどうか、リストの上で比較する。
すでにリストにあるひとつ以上の項目よりもやりたいものと感じたら、それをリストに加える。
そうでなければ、not use (未使用) の項目の中に入れてしまう。Some day (いつかやる) じゃないところがミソ。いつかやらなくてもいい。
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このリストはあくまでも、一番大切なことをするとっておきの時間のための、やりたいことリスト。やってみたいことではなく、今からほんとにやる作業のリスト。
だから四の五の言わず、仕事から離れ、仕事に囚われず、でも無理矢理仕事を忘れる義務もなく、今気になっていることを持ち時間5分限定でリストアップしたリスト。
でも、このリストのおかげで、今の自分にとって一番大切なことはなんだろうと悩まずに、自分の一番大切と感じていることを始めることができる。
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次の週末。そのリストをアップグレードする。ただし、そのリストを見直す必要もないし、コピーペイストしなくてもいい。
先週のリストのことを一度空で思い出しておいて、5分間、同じ心もちで今自分の気になっていること、ドキドキすることをリストアップする。忘れたものは忘れたで、かまわない。
そのリストを並び替えて一番上のほうが、ぼくの一番大切なことであり、その項目のためにその時間を使う。
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そして、たとえば5週後。
リスト5つを並べて観察すると、ずっと上位にいる項目、瞬間的に最上位に現れてあっという間に消えた項目、ずっと3位から5位あたりを行ったり来たりしている項目などが見つかる。
それは自分にとって何かをフリーライティングする。
これができた、あれができたといった達成度はとりあえずどうでもいい。そのリストは、達成度を踏まえたものになっていることが多いから。もし一度達成して、それだけで満足だったものは、リストから消えていることも多いはず。
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こうして、自分にとって一番大切なものは何か、ひとつ階層を上がることができる。