go fujita

ecology of biodiversity conservation

notes

on ornithology, ecology, conservation of biodiversity, natural history, evolution, outliner as a personal dynamic media, and writing


一晩と半日. May 10 2015

たぶん、一晩と半日のできごとで

9才になる息子をもつ父親のはなし。

夜、熱っぽい顔をしたその少年をみて、私は医者を呼ぶ。

熱を測ると102度。

インフルエンザで、肺炎にならないかぎり大丈夫との診断。

しかし、少年はあまり眠らない。

そばで見守る私。

やがて夜が明け、そばにいなくても良いという少年の言葉に

犬をつれてウズラ撃ちにでかける。

群れをみつけ、2羽をしとめ、5羽に逃げられた。

別の群れもみつけたが、そいつは今度の楽しみにと

家に戻ると青ざめた少年がいる。

体温を測ると、やはり102度。

その数字に少年は自分の死を覚悟していた。

「自分はいつ死ぬのか?」

越してくるまえフランスの学校で聞いた、

体温が44度を越えると人は死ぬという言葉を覚えていたから。

でも、それは摂氏。

マイルとキロメートルのように、華氏と摂氏で温度はちがう。

そう私が説明すると、少年は安心して眠りについた。

ただそれだけのできごとが、芸術になる。

人知れず生きる、強く気高い老人と厳しくて大きな海との

戦いを描いた作品もそうだけれど、

この Hemingway [1] からも

書くことの醍醐味とよろこびが伝わってくる、気がする。


  1. Hemingway E. 1933. A Day's Wait. in Winners Take Nothing.


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