gofujita notes

on outline processing, writing, and human activities for nature


万年筆の書くメカニズムを考える #1

万年筆で、なぜ書くことができるのか。そのメカニズムをオンラインで調べると、万年筆は毛細管現象を利用し、インクタンクからペン先、そして紙にまでインクを送り届けるとといったようなことが書いてある。

分かったようで、やっぱり分からない感覚。それでも気になるという状態が、たぶん半年以上つづいているので、少しだけ自分なりに考えることにする。

毛細管現象だから、インクタンクからペンの先端のニブ (nib、ペン先) が紙に接するポイントまで、とても細長いインクの流れる管ができているのだろう。

そのイメージを浮かべながら、本物のニブを見る。ニブの先端には、万年筆の象徴でもあるスリット (slit) と呼ばれる切れ目が縦に走っている。このニブのスリットと紙が接する部分が、インクの管の先端。

ちなみにスリットの両側は tine と呼ばれる。欧米のペン好きたちは、ニブを二本歯のフォークに例えることが多い。二本のフォークの歯が tine で、歯のあいだがスリットになる。

つぎに、このスリットからインクタンクまでの途中、インクの細長い管はどこをとおっているのか。たぶん、ニブを裏側から支えている黒い (他の色の場合もある) 構造物につづくのだろう。この部分は、フィード (feed) と呼ばれる。

フィードがニブのスリットに接する部分に、インクの細長い管をつくるトンネルか溝があり、それがインクタンクまでとどいていれば、インクの細長い管がニブの先端からタンクまでつながることになる。

でも待てよ、この形でインクがニブの先端から外へ流れ出ようとすると、インクの細い管の反対端にあるタンクのインクが減ってタンクの中が陰圧になってしまい、インクが出難くなるのではないだろうか。だから、タンク内の陰圧を下げるための空気穴が、どこかにあるはず。

インクタンクのてっぺん (ピストン式やカートリッジでは、ピストンの部分) に、その空気穴を空けるのがかんたんそうだけど、それだと、インクを補充するときにタンクの中を陰圧にして吸い上げるピストンとして機能できなくなる。

とすると、ペン先側のどこか、たぶんニブを支えるフィードに空気の通る穴がとおっているのではないか。たとえば、フィードの裏側に、もうひとつ小さいトンネルか溝があるのはないか。

この構造だと、インクを補充したいときにはピストンを引いてタンク内を陰圧にすると、タンク内にインクを吸い上げるための通路としても機能できる。

これが、今のところのぼくの仮説。

万年筆のニブを支えるフィードの上側には、インクタンクからニブのスリットへインクを浸透圧で運ぶとても細いトンネルか溝があり、フィードの下側には、インクの体積が減った分だけの空気が外からタンクへ流れるトンネルか溝がある。

で、この考えが妥当かどうか、本物のニブとフィードで確かめることにする。

確かめるための題材は、Lamy というドイツの有名なペンメーカーの Safari。新しさを感じるデザインだけど、このおしゃれ万年筆が生まれたのは1980年。40年近く前に生まれた、伝統ある万年筆である。

(つづく)